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OSSコミュニティ活動のすすめ

2021/12/02

今年も残す所1ヶ月になりましたね。どうも、橘べるちぇです。 今日はiCARE Dev Advent Calendarということで、なんか技術的なことを書いてくれということを言われたので、私みたいなおっs…お兄さんから、若い方に向けてオープンソースソフトウェア(OSS)コミュニティ活動についてお話をしたいと思います。

「プログラムができないので参加できない」?

OSSコミュニティへの参加について話をするとだいたいこんな話が出てきます。たしかにOSSへの貢献で称賛されるものは機能改善やバグフィックスというプログラマーの活躍が目立ちます。このことから、OSSコミュニティの活動もプログラムができないと参加できないというようなイメージが強くなってしまっています。 更に日本ではプログラムのアイデアを認めることよりも、ソースコードの書き方を批判する人が目立つため、プログラマーであってもOSSコミュニティへの参加を躊躇わせる要因となっています。 しかし、OSSコミュニティというものは、ソフトウェアを「造る」ことだけを活動内容にしているわけではありません。プログラム以外にもOSSに対する貢献できるものは数多くあるので、プログラムができないからといってOSSコミュニティ自体に参加できないとは思わないで欲しいです。

OSSコミュニティって何してんの?

OSSコミュニティはソフトウェアを造ることをメインとしたものが多いのはその通りかもしれませんが、それだけではOSSは成長していきません。そうです、使ってもらえなければせっかくのソフトウェアも成長できないものです。 なのでOSSコミュニティの存在意義は、この「OSSを広く使ってもらえるように活動する」に他なりません。 では使ってもらうためには何が必要でしょうか。ここでは、OSSコミュニティが主にやっている活動の例を挙げてみたいと思います。

OSSコミュニティの活動内容の一部

 ・使う
 ・機能改善・バグフィックス等
 ・メーリングリストの運営
 ・OSS系イベントへの参加
 ・ローカライズ作業(日本語翻訳)
 ・日本語マニュアル作成
 ・関連書籍の執筆、雑誌への寄稿
 ・その他、グッズ作成、プロモーション活動等

たくさんありますね。これはOSSコミュニティ活動の一例でしかありません。他にもいろいろな活動内容があるかと思います。それに直接プログラムが関係しないことも結構あります。 特にこの中で重要な活動は、真っ先に挙げたものですが「使う」です。好きなOSSは使ってください。使うだけでもコミュニティ活動の一環と言えます。 その他重要だと私が個人的に思っているものは、日本語マニュアルの作成です。たまに、ベテランの方で「日本語のマニュアルなんかいらない。英語で読めばいい」みたいなことを言う人もいますが、「日本語のマニュアルが無い」というのは、使う人が「使える使えない」というものではなく「使うかどうかを決める人」に対して「日本では受け入れられていない」と、印象付けてしまうので、この日本語マニュアルというのは機能以上に重要なものです。 このように、プログラムを書く以外にもいろいろな活動をしているのがOSSコミュニティなので、自分ができることを探して参加してみると良いと思います。

何からはじめたらいい?

いろいろな始め方があるかと思います。プログラムに自信がある人はプログラムを書いて機能追加を提案しても良し、不具合としてIssueに上がっているものを見つけて解決してみてもいいでしょう。 プログラムにそこまで自信がないなら、まずは使ってみてメーリングリストに参加してみましょう。メーリングリストにはいろんな質問が投げかけられます。解決策を持っていなくても良いんです。同じ問題を再現してみたりして自悩みを共有して、一緒に解決策を考えるというのでも良いと思います。 コミュニケーションに自信がなければ、日本語マニュアルを探してみましょう。無ければ英語のマニュアルを翻訳してみましょう。「必要無い」って言われるかもしれませんが「無いより有ったほうが良い」のは間違いありません。必ず誰かに感謝してもらえると思います。 それも難しいようだったら、自分のブログやNoteにOSSを何に使ったか、どのように使ったか。どういう設定をして使って、どのような結果が得られたかを書いてみましょう。それをコミュニティのメーリングリストに「こんなの書きました」と投稿すればそれはもう立派なコミュニティ活動です。

こんな活動もある

もう、OSSコミュニティ活動への参加は怖くなくなりましたよね?もう、これ以降はいろんな活動を紹介して終わろうと思います。みなさんの今後のコミュニティ活動の参考になれば幸いです。

オープンソースカンファレンスに参加

OSSコミュニティが一同に集まるイベントです。おもに展示ブースでの資料の展示やデモ環境の展示。各コミュニティからセミナー形式での情報配信が開催内容となります。全国で開催されているので、興味がある方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。OSSのおもしろい活用例や、マニアックなおっさん等との会話が楽しめます。 ▼オープンソースカンファレンス公式サイト https://ospn.jp/

技術系同人誌の作成

最近、技術系書籍を専門とした同人誌の即売会が盛んになってきました。気に入ったOSSの薄い本を制作して出典するのも最近の流行りです。以前より小江戸Linux User's Group(小江戸らぐ)が長年に渡って同人誌を出しているのが知られています。最近はOSSで実現する機械学習のアルゴリズムの書籍が流行ってたりします。 自分の学習した内容や体験した内容を書籍にしたため、アウトプットの一環として同人誌を作成してみてはいかがでしょうか。

▼技術書専門イベント「技術書典」公式サイト
https://techbookfest.org/
https://techbookfest.org/

▼技術書専門イベント「技術書同人誌博覧会」公式サイト
https://gishohaku.dev/
https://gishohaku.dev/

特殊な活動をしているコミュニティもある

OSSの中には特殊な活動をしているコミュニティもあります。 HDDの監視、ベンチマークのOSSで世界的に有名なOSSであるCrystalDIskMarkやCrystalDIskInfoの開発をしているコミュニティ「Crystal Dew World」では、広く様々な方にソフトウェアを使っていただくために「応援キャラクター」を作り、グッズの製作、イベントの開催、書籍の発行、Webラジオ等様々な活動をしています。 応援キャラクター「水晶雫」の壁紙は8Kディスプレイにも対応していることから話題です。 このコミュニティでは「ユーザーに楽しんで使ってもらいたい、開発者が楽しんで開発したい」という想いからこのような活動をしています。来年10周年なのでイベントが楽しみですね。

▼CrystalDewWorld公式サイト
https://suishoshizuku.com/ja/
https://crystalmark.info/ja/

まとめ

OSSコミュニティ活動への参加はそんなに敷居の高いものではありません。コミュニティはみなさんの参加を待っているはずです。なので、気に入ったOSSをみつけたら是非コミュニティ活動に参加してみてください。 プログラムが書けなくても自分にできることを探してみたり、イベントに行ってコミュニティの中の人と話をしてみてください。何かしらの形でコミュニティへの参加ができると思います。 その活動は様々な出会いがあり、必ずや自らの人生に良い影響を齎してくれるものとなるでしょう。 長くなってしまったのでそろそろ終わりにしようと思いますが、何をやるにしても楽しむのが重要だと思います。コミュニティ活動も楽しんでいきましょう。 で?明日は?遠藤さんの「買ってもらったキーボードとマウスのレビューする」です。 私は激安中華メカニカルキーボードをフルカスタムして使ってますがどんな感じなのか…  私、気になります。